スクリュープレート載荷試験は、回転して地中にねじ込んだ螺旋状のプレートに鉛直荷重を段階的に載せ、地盤の変形特性と支持力を評価する原位置試験である。本稿では、試験の原理とメカニズムから、装置と地盤条件の準備、載荷手順と測定方法、P-S曲線(荷重-沈下量曲線)の読み取り、判定基準と極限支持力の算定、さらに適用地盤と他の原位置試験との比較までを順を追って解説する。深い位置の地盤を乱さず直接的に評価できる点が本試験の特徴であり、設計地盤係数や許容支持力の設定に実務上の価値が高い。
原理とメカニズム
試験は、螺旋翼を有する円盤状のスクリュープレートを回転貫入し、所定の深さに設置するところから始まる。回転貫入により押し込み貫入に比べて地盤の乱れが小さく、プレート下面の土がほぼ原地盤の状態で保たれる。設置後、油圧ジャッキ等を介してプレート中心に鉛直荷重を段階的に作用させると、荷重はプレート底面から地盤へ伝達され、土粒子の再配列と間隙水の移動に伴う圧密沈下が進行する。各載荷段階での沈下量を計測し、荷重Pと沈下量Sの関係をP-S曲線として整理する。この曲線形状には、地盤の変形剛性とせん断破壊の進行状況が反映されるため、変形係数や極限支持力の算定根拠となる。載荷時の影響範囲はプレート径の数倍程度とされ、比較的浅い支持層の評価に適する。
試験装置と地盤条件の準備
使用する主な機器は、スクリュープレート(螺旋翼付き載荷板)、回転貫入用のロッドと駆動機、反力架台、油圧ジャッキとポンプ、荷重計(ロードセル)、ダイヤルゲージまたは変位計、およびデータ記録装置である。プレート径は試験深度と予定荷重に応じて選定し、反力は重量式またはアンカー式で確保する。試験孔は予めボーリング等により掘削し、孔壁の崩落と水の流入を防ぐ管理を行う。プレートは砂層であれば回転貫入時の抵抗を、粘性土層であれば過剰間隙水圧の消散状況を確認しながら設置する。地下水位が高い site では孔内水位の記録が必要であり、事前の土質柱状図と標準貫入試験結果を照合して、載荷深度が予定の支持層に一致していることを確認する。
載荷手順と測定方法
載荷は多段階載荷方式を基本とする。まず標準荷重相当を1段階目とし、所定の段階割合で荷重を増加させる。各段階の荷重に達した後、時間の経過に沿って沈下量を読み取り、沈下がほぼ収束した時点で次段階へ進む。読み取り間隔は載荷直後に密とし、以後漸次延ばすのが標準的な運用である。沈下量はプレート上のロッドまたは専用の測定枠に設置した2~4点の変位計で計測し、平均値を採用する。計測系は載荷開始前にゼロ点を確認し、温度変化や振動の影響が入り込まないよう計測架台を独立して設置する。除荷段階でも沈下の戻り量を記録し、弾性変形と塑性変形の分離に用いる。載荷中は荷重の保持精度を常時監視し、油圧の低下が生じた場合には速やかに補正する。
P-S曲線の読み取りポイント
P-S曲線は、縦軸に荷重、横軸に沈下量をとって各段階の収束値をプロットし、これを折線で結んで作成する。読み取りの第一の要点は曲線の形状分類である。立ち上がりが急で明確な折れ点を持つタイプは、せん断破壊が比較的急激に進む密な砂や硬質土に多い。緩やかな立ち上がりから次第に沈下が増大するタイプは、緩い砂や軟らかい粘性土で漸進的破壊が生じることを示唆する。第二の要点は折れ点の特定であり、直線部の傾き変化、沈下増分の急増、またはlog-logプロット上の傾き変化を併用して判定する。第三の要点は弾性域の傾きから初期接線勾配を読み取り、変形係数の算定に用いることである。除荷時の戻り量から弾性沈下成分を分離し、残留沈下の占める割合を確認すると、載荷レベルごとの地盤の損傷度を推定できる。
判定基準と極限支持力の算定
極限支持力は、P-S曲線上で沈下が急増し荷重の増加に対して沈下が収束しなくなる荷重、または所定の限界沈下量に対応する荷重として求める。折れ点が明瞭でない場合には、沈下量と荷重を対数変換した図上で直線性が失われる点、あるいは一定沈下量に対する荷重の逆数プロットなどを用いる手法が採られる。極限支持力を安全率で除した値が許容支持力となり、設計ではこの値と構造物の設計荷重を照合する。変形係数は、弾性理論に基づく載荷板の沈下式に曲線の接線勾配を代入して算定し、地盤反力係数の設定に用いる。判定にあたっては、載荷中の異常沈下の有無、荷重保持時の沈下収束性、除荷時の戻り量の3点を記録として残し、これらを判定書に付記することが品質管理上重要である。
適用地盤と他の原位置試験との比較
本試験は、砂地盤および粘性土地盤のいずれにも適用でき、特に既存の支持層の確認や中間深度の地盤評価で利用される。プレスメータ試験は孔壁を水平方向に押すため側方向の変形特性を評価するのに対し、スクリュープレート載荷試験は実際の基礎と同じ鉛直方向の載荷を行い、支圧破壊に近いメカニズムを再現できる。標準貫入試験はN値から間接的に支持力を推定するのに対し、本試験は荷重と沈下量を直接測定するため、変形を伴う設計には有利である。平板載荷試験と比較すると、掘削を要し地表近くに限られる平板に対し、スクリュープレートは回転貫入で深部まで到達でき、試験後の撤去も比較的容易である。ただし載荷反力の確保と孔内水の管理が必要であり、礫混じり地盤では貫入自体が困難になる場合があるため、事前の地盤調査結果に基づき適用可否を判断する。
FAQ
スクリュープレート載荷試験の原理と規格、P-S曲線の読み取りポイントについて、発注側との報告・連絡の進め方は?
試験実施前に、規格に沿った試験条件や載荷段階を発注側と確認し、測定方法や判定基準を共有しておくことが重要です。試験後はP-S曲線の読み取り結果と極限支持力の算定根拠を整理して報告し、不明点には測定記録をもとに丁寧に説明します。
スクリュープレート載荷試験の原理と規格、P-S曲線の読み取りポイントに関して、試験コストに影響する要因は?
装置の設置や撤去の難易度、対象地盤の条件、載荷段階の数や測定項目の範囲が主な要因です。また、適用地盤の判断のために他の原位置試験と併用する場合や、再試験が必要になった場合には、費用が増える可能性があります。
スクリュープレート載荷試験の原理と規格、P-S曲線の読み取りポイントについて、試験結果をめぐる不服や再試験の対応はどう扱う?
P-S曲線の読み取りや極限支持力の算定に疑義が生じた場合は、まず測定記録と載荷手順が規格どおりかを確認します。それでも合意に至らない場合は、同一条件での再試験や他の原位置試験との比較により、結果の妥当性を検証します。
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